84年からリノに現れた#84"Stiletto"は過去レース参加経歴のある数機の部品から組み上げられた機体で、P-51の腹部にあるラジエターを納めた出っ張り、通称"belly-scoop"を取り去り冷却器を翼内に納め抵抗軽減を図った機体。この改造手法はリノ以前のクリーブランドやトンプソン杯の参加機#7"Beguine"や愛称無しの#45という前例があり、一定の有効性を証明しています。
80年代前半〜中盤のリノは毎年大胆な改造を施された機体が新登場し優勝争いに加わる「過激な時代」で、この#84もスキップ・ホルムの操縦によりレース新記録437.62mphで決勝のゴールドレースに優勝。しかしReno'85からはトラブル続き。オーナーも変わりつつReno'88まで決勝を最後まで飛べない状態が続きました。
暫しの参加休止を経てReno'92に現れた時には沸騰冷却により翼のエアスクープさえ廃した仕様となっており、マット・ジャクソンの操縦でGold4位の成績を残していますが、その後売却されノーマルの複座仕様に戻されているそうです。
|
|